好文木(校長ブログ)
2018.06.05
「個性創造」の意味するところ

 6月4日からホームページが刷新されました。まだ調整すべき個所がありますが、携帯で見やすい形式に変更しています。そして、「個性創造」という言葉を前面に打ち出しました。
 私が校長に就任した平成19年、新たに教育方針を制定しました。本校の使命を「生徒に夢と希望を与え、生きる力を育み、自立した、社会に貢献できる女性を育てる」とし、重点目標には「①基礎学力の向上と②女性としての教養とマナーの習得」を挙げました。キャッチフレーズは「やればできるは魔法の言葉、自分サイズの未来を拓く、チャンスメーカー好文学園」です。そしてスローガンに掲げたのが「個性創造」でした。
 「個性」とは個人の持っている特性・特徴という意味で、身体的特徴よりは内面的な特徴に使われることが多いと思います。「個性尊重」と言われるように、人それぞれの違いをお互いに認め合おうと前向きな使われ方をする一方で、時にこれが集団や組織としての共通認識に対する対立概念として使われる場合もあります。特に同調圧力の強い日本社会ではその傾向が強いと思います。
 以前、「校長は「個性尊重」といっているくせに、個人の自由を認めない」などと批判する生徒もいました。校則を守りたくないゆえの我が儘ではありましたが、「個性」をあるがままの自分と捉えるとこのような考えになります。
 しかし、尊重されるべき「個性」は成分未調整の有るがままの自分ではなく、基礎・基本をきちんと身に付けた上で発揮される創造性や独創性であると考えます。これが「個性創造」の意味するところです。ピカソは奇抜な画風で知られていますが、若い時代のデッサンは極めて精緻です。芸術でもスポーツでも学問でもビジネスでも基礎・基本を学び型をしっかりと身に付けなければ、成長はなく自己の確立もおぼつきません。
 落語家の故立川談志師匠は次のように語っています。「型が出来ていない者が芝居をすると型なしになる。めちゃくちゃだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか? 難し過ぎるか。結論を言えば、型をつくるには稽古しかないんだ」

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