好文木(校長ブログ)
2025.11.04
クマ報道に思う

 私は『森のくまさん』の歌が好きで、「ある日 森のなか クマさんに出会った 花咲く森の道 クマさんに出会った」と言うフレーズが口をついて出てきます。この歌はアメリカのボーイスカウトで1960年代にうたわれた『The Other Day, I Met a Bear』を原曲とする童謡だそうです。原曲ではクマから逃げてほうほうの体でようやく高い木の枝に掴まることができ命拾いできたところで終わります。一方、日本の童謡では白い貝殻の小さなイヤリングを拾ってくれたクマさんにお礼に歌を歌うというほのぼのとして温かみの感じられる歌詞になっています。
 しかし今、日本各地でクマの被害が多発しており、ニュースに出ない日がありません。秋田県では自衛隊の出動を要請するまでに至っています。昨年は「クマを殺すな」と言う電話が役所に多数かかってきたことが話題になりましたが、今年は「クマを駆除しろ」と言う声が大きくなっているようです。死傷者が増加しており動物愛護より人命優先の状況です。
 クマ被害の拡大は、増え過ぎたシカがドングリを食べ餌がなくなったことが一因ともいわれています。丸いおしりで子熊を連れて歩いている姿を見ると愛らしいのですが、街の中まで進出し、学校や公園、住居に侵入し、人を襲い死傷者が出るとなると駆除すべしとの論が高まるのも無理からぬところです。
 私の住んでる街ではしばしば六甲山からイノシシが下りてきます。家の前の道を歩いているのを見かけたり、夜の帰り道で「大きな犬だな」と思ったらイノシシだったりしたこともあります。最近はイノシシに遭遇することがなく安心していましたが、今度は、中国山地から六甲山に移動したクマが出没することになるかもしれません。狭い日本、野生動物と人間の生活圏の境界が崩れつつあります。

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