好文木(校長ブログ)
2019.04.22
ネット派orリアル派?

 本や衣料品など様々な商品のネット購入が増えています。内容や品質が確認できていて購入目的がはっきりしている場合、ネット購入は確かに便利ですが、私は常にリアル書店、リアルショップで購入しています。いわばネット派ではなくリアル派です。
 先ず、本について言うと、アマゾンで購入すると段ボール箱に入れられて届きます。あのご大層な段ボール箱包装、もったいないなと思いますし始末も面倒です。
 その点、書店に行くと、包装はカバーとビニール袋ですからコンパクトです。そのうえ、目的の本以外に沢山の本に出合えます。今の売れ筋や時代の流れを読むこともできます。大型店に行くとあれやこれやと手に取り内容を確かめていると結構歩き回り一時間ぐらいはすぐに経ってしまいます。 
 衣料品の購入では、ZOZOスーツが話題になりましたが、私はやはりお店に足を運んで実際に試着してみて決めたいほうです。色も写真で見るのと実際では異なります。蛍光灯の下で見るのと太陽光の下で見るのとでも違います。風合いや着心地も生地によって異なります。パンフレットで見てかっこいいスタイルだと思ったところ着てみたら自分には合わなかったという場合もあります。そして、リアルショップでの買い物ではお店の人との会話を楽しむこともできます。その中から、知らなかったおしゃれについての知識などを知ることもできます。
 先日テレビで中国のネット診療所が取り上げられていました。中国は医師不足で病院の待ち時間があまりにも長すぎるので、ネットで問診をすると薬が届けられたり、自販機のようなところから適した薬が出てきたりする仕組みです。しかし、顔を見て触診せずに正しい診断ができるのか心配になります。 
 今朝の日経では、人の価値をAIがはじくデーターエコノミーの拡大が報じられています。AIを使った個人の信用力を数値で示すサービス、「スコアリング」で高得点を採れば融資条件が有利になります。これもまた中国のアリババ集団傘下の金融会社が始めたサービスです。ここでは、学歴や職業などの身分属性、不動産など資産状況による支払い能力、クレジットカードの返済履歴からの信用履歴、交友関係や知人など人脈、買い物やサービスの利用履歴による消費行動の5つの要素を分析します。スマホから個人のデーターが収集できます。一方で、スコアリングで低スコアの人は仕事にもつけず家も持てなくなり2030年までにG20諸国地域で最大5.4億人がデジタル貧困になるとの予測をコンサルティング会社が示しています。
 趣味の世界から生存にかかわる世界まで、ネット社会が拡大しています。価値を数字で表すデジタル社会、その価値判断は本当に正しいのか、真相を見過ごしチャンスを奪う危険性があるのではないでしょうか。わたしはやっぱり最後はリアルなチェックを期待します。

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