好文木(校長ブログ)
2022.04.06
令和4年度入学式式辞

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。保護者のみなさまにも心からお祝いを申し上げます。今日から皆さんを迎え、新年度のスタートを切ることが出来、大変うれしく思います。
 さて、今月から、100年以上続いた法制度が変更され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これにより、多くが高校3年生になると成人となります。成人となると父母の親権から外れ、結婚、携帯電話やクレジットカードなどの契約が一人でできるようになります。また、ローンを組むこともできます。
 成人年齢の引き下げは、少子高齢化が進む日本において、若者の活力を引き出し、社会参加を促進する趣旨から実施されるものです。従って、みなさんは社会の要請に応えるために、その準備に入らねばなりません。社会の仕組みを理解し、適切な判断ができるようになる必要があります。そこで入学にあたり、高校で是非実践してほしいことをお話ししたいと思います。
 先ず、新聞を読み、ニュースを見てください。今、日本で、世界で何が起こっており何が求められているのかを知らなければ、勉強する意味も見出せません。コロナ感染症もウクライナへのロシアの侵攻も、世界がグローバル化し人・物・情報がつながっている現代、私たちの生活に影響を与え、知らないでは済まされません。最近の大学入試では、小論文を課すパターンが増えています。日頃から社会に関心を持ち、知識や情報を仕入れておかないと対応が難しくなります。
 次に勧めたいのは読書です。読書からも社会を知ることが出来ます。人間の本質について考えることもできます。読書は著者との対話です。本はボーと読むのではなくて、考えながら読んでください。そうすると、筋道立てて物事を考えることが出来るようになります。論理的思考が身に付きます。小説では登場人物と自分を重ね合わせて感情移入することもあります。読み終わると寂しくなり、また新たな出会いを求め次の本を読むようになります。悲しい時や辛い時に本を読んで勇気をもらえることもあります。また、他人から面と向かって言われると腹が立つことも、本で読むと、理性的に理解できる場合もあります。学校生活の中で、人間関係でトラブルになったり悩んだりすることも出てくると思います。人間関係に悩む人には、アドラー心理学を分かりやすく面白く伝える『嫌われる勇気』を読むことを推奨しています。読書は誰の助けも必要なく自分で取り組めます。是非、実践してください。
 3年間の高校生活では、失敗や挫折を経験することもあると思いますが、失敗や挫折から学び次に活かす力「挫折力」を身に付けてください。不確実性の時代を生きるために最も必要な力が「挫折力」だと思います。好文学園は職員室も校長室もオープンですから、困ったとき、悩む時は一人で抱え込まず、遠慮せず相談に来てください。みなさんが、有意義な高校生活を送り、希望の進路を確保できることを祈念しています。

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