好文木(校長ブログ)
2022.03.15
全国初の女性市長逝く

 全国初の女性市長だった北村春江さんが93歳で亡くなりました。北村さんは1991年(平成3年)に芦屋市長となり、1995年(平成7年)の阪神淡路大震災で被災した芦屋市の復興に尽力されました。心からご冥福をお祈りいたします。
 大地震からしばらく経ち、水道と電気が復旧したので、私は避難先から自宅に戻り、徐々に日常生活を取り戻しつつありました。そんなある日、我が家の近所で地滑りが起こっていることが判明しました。それを知らせに来られた方から是非力を貸してほしいと頼まれ、世話役を引き受けることになりました。
 ご近所には年配の方が多く、当時38歳だった私が引き受けざるを得ませんでした。
 小学校の教室を借りて、エリアの住民を集めて説明会を開くことから始めました。県会議員や市議会選挙に出馬予定者の仲介もあり、市役所に陳情のため北村市長を訪ねました。当時の北村さんは現在の私とほぼ同じ年齢でした。ご自宅が全壊する被害に遭われておられたにもかかわらず、市役所で寝起きし、陣頭指揮を執り、避難所を訪れては市民を励ますなどリーダーシップを発揮されておられました。間もなく東大の専門家による現地調査が入り、地滑り状況を確認後、大掛かりな杭打ちが実施されました。芦屋市でくい打ち工事が実施された箇所は2か所でした。復興では区画整理事業の反対運動もあり随分とご苦労されましたが、信念を通し3期12年を全うされました。北村さんに続き、県内では尼崎や宝塚にも女性市長が誕生しました。そして現在、芦屋市も再び女性が市長に選出されています。
 しかし、女性の社会進出は順調には進んでいないようです。「指導的立場にある女性の割合を2020年に30%に」という政府目標は2030年に延長されました。また、小中高における校長と副校長など管理職の割合も2020年に20%以上にするという目標でしたが、2019年時点では30都道府県で達成できていません。男女差が比較的少ないと考えられる教育界においてもなかなか思うようには進んでいないようです。
 1937年(昭和12年)に創設された本校において、創立70周年にあたる2007年、私が13代目の校長に就任しました。そして今月末で15年を終えようとしています。在任期間は、歴代校長の中で初代の牧野文二郎校長の14年を超えて最長となりました。大過なく来られたのは教職員の奮闘のお陰と感謝しています。尤も長けりゃいいというものではなく内容が問われます。判断は後世に委ねたいと思います。本校の歴史を紐解きますと、校長はすべて男性です。女子高として、女性の活躍を率先垂範すべきであることを考えますと、そろそろ本校でも女性校長をと思うところです。

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