好文木(校長ブログ)
2022.03.16
通勤途上で、ふと

 今日も最高気温は20度に達するらしく、この時期に5日連続20度超えを記録するのは1923年以来100年ぶりだそうです。ソメイヨシノの蕾もかなり膨らんできました。
 毎朝、自宅から最寄り駅まで20分の通勤途上で、挨拶を交わす方が数人います。毎日会ううちに、どちらからともなく挨拶を交わすようになりました。
 このところ、犬の散歩をされているご婦人の姿が見えない日が続いていました。元気な犬で車が通る度に反応して吠えていましたが、ここ1年はめっきり年を取り弱り、飼い主のご婦人に気遣われながら、よぼよぼと歩くようになっていました。たぶん、犬が亡くなり散歩に出ることもなくなられたのだろうと思っていました。
 今朝、そのご婦人と一緒に散歩されている別のご婦人に出会った際に、思い切って訊いてみました。やはり、犬は亡くなっていました。その上、ご主人までも亡くなられたとのこと。一人になられ、さぞ寂しい思いをされておられるのだろうと思いました。「桜が咲く頃にまたご一緒しましょう」とおっしゃられていたとのことですが、今年は物思いにふける花見になるだろうと推察いたします。
 ちょうどこのご婦人と朝の挨拶を交わすようになった10年ほど前、ひょんなことから3年の生徒と交換日記をすることになりました。本校の同窓会のご婦人から立派な装丁のノートを頂き、使い道に迷っていました折、ちょくちょく校長室に遊びに来る3年生がやって来ました。「君、このノート使わないか?」と訊ねましたところ、装丁の柄がJK向きではなかったので、「いやぁこれは使わないなあ。そうだ、このノート使って校長先生と交換日記しましょう!」と言うので、それから卒業までの数カ月、交換日記をすることになりました。日記で、「最近、犬の散歩のおばさんに会わないんだよ。どうしたのかな。」と書いたら「おばさん、病気じゃなければいいですね」と返してくれました。この生徒ともう一人クラスメイトを連れて、芦屋大学のイブニング・オープンキャンパスに行ったこともありました。芦屋浜の花火が見られるとのことで夕方からの開催だったので、保護者同伴が条件でした。あいにく両名の保護者の都合がつかないということだったので、自宅が近い私が一緒に行くことになったのです。
 今朝の一件で、ふとこの生徒と交換日記のことを思い出しました。ノートは卒業時に記念に彼女に渡しました。卒業後、彼女には会っていませんが、元気でいることを願っています。

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