厚生労働省は2023年の出生数が75万8631人となり、前年から5.1%減少したと発表しました。当初予想より減少ペースが速く、この傾向が続くと2035年に50万人を割るといいます。また婚姻数も90年ぶりに50万組を割り、49万9281組となっています。総務省の調査では職に就いている30代男性の未婚率は年収200万円台で64.7%と2012年から11.8ポイント上昇しました。
株価はようやくバブル崩壊前の最高値を超え3万9000円台になりました。また、大企業を中心に大幅な給与アップが実施されていますが、一部を除き景気の先行きに明るさを感じる人は多くはありません。
1980年代後半のバブル時代、土地の価格も株価もうなぎ上りでバラ色の世界が広がっているように思えた時、これを根拠なき熱狂と警鐘を鳴らした経済学者もいました。確かに本当にそれだけの価値があるのかを考えれば異常値であったものの、投機熱は冷めやらぬままでした。そしてオランダのチューリップバブルに端を発した500年にわたるバブルの歴史にもれず、このバブルもまた見事に崩壊しました。
バブル崩壊後30年にわたるデフレを経験し、企業は派遣や非正規人材で人件費を節約し内部留保に努めてきました。その結果、労働市場の構造が大きく変化し、若者が先行きに希望を見出せなくなりました。それが少子高齢化と相まってさらに視界を不良にしています。バブルであっても先行きに期待が持てた、それは間違った期待ではあったのですが、その活気が懐かしく思われます。政治において、企業において、そして学校においても期待を持たせることが活力になります。
厳しい少子化という現実を前に、教職員や生徒そして将来の入学予備軍である中学生に期待を持たせる学校づくりが喫緊の課題だと思っています。