好文木(校長ブログ)
2023.06.05
出生率1.26、静かなる有事

 2022年度の合計出生率が1.26と過去最低になり少子化に歯止めがかかりません。出生数も77万747人と一昨年から5%減少し、1899年統計開始以来初めて80万人を割り込みました。コロナ禍で結婚が減った影響もあるようです。日経新聞は、松野官房長官が記者会見において「少子化の進行は危機的な状況で、日本の静かなる有事として認識すべきだ」と指摘したと伝えています。
 岸田総理は異次元の少子化対策を打ち出していますが、経済的な援助もさることながら、将来に夢や希望が持てなければなかなか子供をたくさん持とうとは思えません。しかし、少子高齢化に国際情勢の不安定化が重なる今、なかなか明るい将来ビジョンを示すのは難しくなっています。
 少子化が止まりそうにない中、教育の機会均等と子育て支援策として打ち出された吉村知事の高校完全無償化案は府民にとっては有難い政策です。実現すると、私学の運営は民間に任されるものの、財政は府の統制下におかれ、私学の第3セクター化が進みます。授業料等には施設設備費も入るとのことですから、入学金や諸経費など私学が自由に決められるものは限られます。基本、標準授業料と経常費補助金でやっていかねばなりません。現在、それぞれ60万円と32万円ですから合計92万円で賄うということになります。寄付金を募るにしても多くは望めません。こちらも私学にとっては有事です。
 限られた予算の中でいかに特色ある魅力的な教育を提供するかさらに知恵を絞らねばなりません。そして経費節減はこれまで以上に厳しくせねばなりません。本校はどのような環境に在っても「それは本当に生徒のためになるか」の理念を忘れることなく、保護者や生徒に寄り添い続ける学校でありたいと思っています。

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