先週土曜日、気温は低いものの晴天の下、卒業式が挙行されました。コロナの期間中は時間を短縮した式にせざるを得ませんでしたが、久しぶりに従来通りの式となりました。校歌も歌わず式辞や送辞、答辞のみという学校もあるようですが、本校では国歌に始まり校歌を斉唱し式が始まります。最後は「仰げば尊し」と「蛍の光」で終わります。この2曲を歌う学校は少なくなったかもしれませんが、本校では式は厳粛にと考えてこの形をとっています。古臭いと感じる人もいるかと思いますが、「仰げば尊し」と「蛍の光」には毎年、泪する卒業生が何人もいます。交響曲のように流れる式のクライマックスが「仰げば尊し」だなと思います。
卒業式は1時間20分で終了、その後クラスルームでの最後のホームルームを終えると、生徒たちは天然芝のグラウンドに出て友人や保護者、先生との思い思いの写真撮影となります。私にも声がかかり何人かの生徒、保護者と写真に納まりました。他校の生徒もお祝いに駆けつけてきてホームルームが終わった後に合流しました。彼女たちはお祝いの大きなバルーンを持ってきており、厳粛な式から一転、華やかで歓喜溢れるひと時となりました。卒業の喜びをみんなと分かち合ったのち三々五々、名残惜しそうに学校を後にしてゆきました。
今年も感謝の手紙を何人かの生徒からもらいました。ちょっとした声掛けや要望が叶ったことをこんなにも喜んでくれているんだなと改めて思いました。毎朝玄関で登校を待ち声をかけ続けた生徒からは心のこもった長い手紙をもらいました。「どうせ今度もダメだろうと思っていたこの生徒に成功体験を積ませたい。何としても卒業させる。大学にも行かせるぞ。痩せガエル負けるな一茶ここにあり」の気持ちで接してきました。彼女はこの思いをしっかりと受け止めてくれていました。お互いの思いが通じ合ったことが何よりの喜びであり、この手紙はまた私の宝物になりました。
卒業式の前々日、卒業記念行事にて生徒からもらった似顔絵を校長室に飾っています。