3月1日、第70回卒業証書授与式が挙行され290名の卒業生が好文学園を巣立っていきました。今年は体育館が建て替え工事中につき、毎年文化祭でお世話になっている尼崎のあましんアルカイックホールでの実施となり、平成最後の卒業式を無事締めくくることができました。
今朝、登校途中でいつも一緒になる1年の生徒から、「3年生が卒業するとやっぱり寂しいですか?」と訊ねられました。毎年のことですが、ホッとするとともにやはり寂しいのが正直な気持ちです。
1年のころ、友人や先生とのトラブルで校長室に相談に来ていた生徒も進路を決めて笑顔で卒業していきます。式の後には多くの生徒が「一緒に写真を撮ってください」と来てくれます。アルバムへのメッセージも頼まれます。保護者から感謝とお礼の言葉も頂戴します。「みんな幸せそうで、本当に良かったな」と思える瞬間です。
心から「好文学園で過ごせて良かった」と思っている生徒もいますし、「過ぎてしまえばみな美しい」的に「嫌だったこともあったけど、今となっては卒業もできたしまあよかったのかな」と思う生徒もいます。
進学や就職をして暫く経ってから学校に戻ってきて近況報告をしてくれる卒業生は多いのですが、感想を聞くと、大抵の卒業生が好文生に戻りたいといいます。大学や企業は好文ほど面倒見良くありません。その時初めて好文の良さ、先生たちの苦労を分かってくれます。
ただ一方で、ちょっと甘やかしすぎたかなと思うこともあります。好文での経験を活かして大学や企業で頑張っている卒業生が好文を懐かしがってくれるのは素直に
うれしいのですが、どうも自立ができていないと感じる中で、好文時代を懐かしがられると複雑な思いがします。甘やかしすぎて挫折力を身につけさせられなかったかなと反省します。
卒業生を送り出すとまたすぐ新入生が入ってきます。感傷に浸っている暇はありません。弓道場のわきでは一足早く河津桜が満開です。新アリーナと芸術棟の鉄骨がいよいよ立ち上がってきました。