3日から6日まで1年生の宿泊レクリエーションが琵琶湖畔のアクティプラザ琵琶で実施されました。私はA班に同行し一泊して戻りました。琵琶湖でのSUP体験や葦についての講演、葦布の工場見学、葦糸を使ったキャンドルシェード作成など楽しいイベントが盛り沢山でした。キャンドルシェード作りでは膨らませた風船に糸を巻き付けてシェードの形を作るのですが、途中で糸が切れなかなかうまくいかず、自棄になってしまう生徒もおり、手助けをしました。「校長先生上手い」とおだてる生徒とコミュニケーションを図りながらの楽しいひと時でした。
私が校長に就任した2007年の一泊研修もこのアクティプラザ琵琶でした。当時は4月の入学式直後にオリエンテーションとして実施していました。その後も京都、奈良、舞子と場所を変え実施してきました。一時は4月と9月の2回実施し振り返りをしていた時期もありました。基本的に学校生活上のルールや約束事を徹底することに主眼が置かれておりました。くどくど言わずともできる生徒が増えてきましたので、オリエンテーションは入学式後に短時間で済ませるようにし、モチベーションをアップする方法に切り替えました。琵琶湖に戻ったのは一昨年からで、SUPを取り入れました。そして今年から「一泊研修」ではなく「宿泊レクリエーション」と名も改めての実施となりました。
最近の生徒は概しておとなしく言われたとおりにやる子が多くなりました。しかし、必ずしも納得して従っているのではなく、面倒だから言われた通りにしておこうという感があります。ですから、愚痴や文句をSNSで発信することになります。不満は溜めさせず吐き出させ、徹底的に考えて議論し落としどころを見出すことが大事です。そこで昨年2学期から3学期にかけて「好文新時代フォーラム」と銘打って生徒会主体での校則の見直しを行いました。
SNSの束縛から解放し、幅広い知識を吸収し、他者に対する思いやりや共感力を高め、問題解決能力を身につけさせることが大事です。これは生徒指導だけの話ではありません。授業でこそ主体的に学ぶ習慣を身につけられます。小論文指導をしてもらっていますが、論理的思考や共感力が足りないとの所見が出ています。特に国語や社会ではこういった力を養う授業はいくらでも出来ますので、単に教科書に書かれたことを教えるのではなく、
そこに肉付けをして興味関心を呼び覚ますことが必要です。
特進コースの生徒は一般受験に挑戦しますが、大半は指定校や総合型選抜で年内に進路が決まります。従って中間期末考査の点数だけを気にする勉強になりがちです。知識の蓄積に繋がらないきらいがあります。テストについても改善が必要だと思います。
自由闊達にして愉快な学園を築くためには、教員と生徒双方の主体性を引き出す工夫が必要だと痛感しています。