好文木(校長ブログ)
2022.06.01
日本消滅!

 米起業家で電気自動車企業のCEO、イーロン・マスク氏のツイートが関心を集めています。5月30日の日経新聞は「「日本消滅」マスク氏の警告」と題した大林編集委員の記事を載せています。マスク氏のツイートとは、「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう。これは世界にとって大きな損失となろう」というものです。
 総務省の人口推計によれば、2021年10月1日現在の日本の総人口は1億2550万人で、前年比64万人減で、これは1951年以来過去最大の減少となっています。また、出生率が1.3を下回っていた2003年から2005年の超少子化の時期、国立社会保障・人口問題研究所は、衝撃的な見通しを発表しています。2004年の出生率1.29がその後も不変で移民を受け入れない場合、日本の総人口は2100年に4,108万人、2200年に851万人となり、3300年にはついに0となるというものです。
 その後、出生率は一旦は1.4台に上昇しましたが、このところのコロナ禍で再び下げに転じています。出会いの機会の減少だけではなく、賃金の低下により、若い世代の結婚や出生意欲が減退しているとの見方が広がっています。
 3300年となると今から1278年後のことになり実感が湧きません。しかし、2100年は今年生まれたこどもが78歳になっている時点ですから、グッと近づきます。そして人口が4,108万人というのは衝撃です。
 かつて小松左京氏の『日本沈没』が話題となりました。日本列島が地震と火山の爆発により沈没し、国民は海外に移住せねばならなくなるという小説で、1973年に映画化もされました。阪神淡路大震災、東日本大震災を経て東南海地震の可能性が高まっていると言われる中、昨年リメークされテレビドラマが放映されました。『日本沈没』はあくまでSFです。「日本消滅」も今のところ1000年以上先の話で、計算上のことともいえますが、出生率が上昇しない限り、消滅はしないまでも人口が激減することは間違いなさそうです。
 事態が、上記見通しの通りに推移すると仮定すれば、現在の高校生の子や孫は、人口が現在の約3分の1になった日本で生きることになります。その時の日本の社会経済状況を想像すると、戦慄が走ります。マスク氏のツイートはやはり警告と捉えるべきでしょう。

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