好文木(校長ブログ)
2022.05.31
読書のススメ

  私は機会あるごとに読書の重要性と新聞を読むことの必要性をお話しています。新聞では世の中で起こっていることの情報を得ることが出来、読書では著者との対話により感性を高めることが出来ます。そして自分の進むべき道を見つけることもでき、生き方の軸を作ることもできると思います。先日久しぶりに開かれた保護者会総会でも読書と新聞を読むことについて言及させていただきました。
 最近はスマホの普及で、読書をする人が減っているように思われます。電車に乗ると視界に入るほぼ全員がスマホを見ている場合があります。ゲームをしている人、LINEやTwitterをしている人。たまにiPadで新聞を読んだり読書をしたりしている人がいます。中高生や大学生で本を読んでいる人はあまり見かけません。たまに見かけると、なんだか嬉しくなってホッとします。
 先日、帰りに出会った1年生から「校長先生が入学式の式辞で言われた『嫌われる勇気』を今読んでいるんです」と聞いて、とても嬉しく思いました。また、3年生で、登校すると生徒会室に行って、暫くしてから教室に入る生徒がいます。生徒会室で何をしているのか訊ねると、生徒会の先生が持ってきてくれる新聞を読んでいるとのこと。これまた大変よいそして微笑ましいことだと思いました。
 タレントの芦田愛菜さんが慶應女子高から内部進学で慶應大学の医学部に進むのではないかとの観測記事が報じられています。彼女は芸能活動と勉学を両立させていますが、年間300冊本を読むという読書家としても有名です。
 私がかつて勤務していた伊藤忠の元社長で中国大使も歴任された丹羽宇一郎さんも大の読書家です。社長時代、社用車は使わず、電車通勤をして本を読んでおられたそうです。丹羽さんは著書の中で、考えながら本を読むことが論理的思考を養う上で極めて大切だと述べておられます。
 二人に共通するのは、小さいころから本に親しんできたということです。芦田さんは子供のころからお母様に絵本を読んでもらっていたそうですし、丹羽さんは実家が本屋さんで、新刊書が来たら、売り物ですから汚さぬように注意しながら速読していたとのこと。私もまた、小さい時から本を読んでもらったり、本を与えられたりして本に親しんできました。小さいころ風邪で寝ていると、見舞に来てくれた叔母が良く本を読んでくれたものです。
 読書は「しなければならない」という義務感からではなく、楽しいと思わないと続きません。「読書はめんどくさい」とか「字を読むのは苦手」と思い込んでいる人もいますが、今からでも遅くはありません。一歩を踏み出して、読書の楽しみにはまってほしいと思います。

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