今日は3年生にとって最後の授業日です。昨日、手作りプリンを届けてくれた生徒にお礼の手紙を持って行った時、廊下であった生徒に「明日一日になったね」と声を掛けました。すると、「明日、校長先生はいつもの時間の電車で来られますか」と訊いてきました。
この生徒とは1年の時は部活の朝練があったので同じ電車になることが多く、しばしば千船駅から学校まで話をしながら一緒に来ていました。ある時、部活の人間関係で悩んでいると打ち明けられ相談に乗りました。「部活は苦しんでまでやるものじゃないよ。部活のせいで学校まで嫌になっては本末転倒だよ」とアドバイスしました。考えた末、彼女は退部を決めて気分一新して学校生活に打ち込みました。従って、その後は朝彼女と一緒になることはなく、玄関で挨拶するのが常となっていました。
最後の一日を私と一緒に登校しようと思ってくれたことを大変うれしく思いました。これは絶対に遅れるわけにはいかないと思い、いつもより15分程早めに目覚ましをセットし、十分な余裕をもって最寄り駅のプラットフォームに立つことが出来ました。7時16分千船駅に着くと、同じ電車の違う扉から先に降りた彼女に声をかけ、学校まで一緒に来ました。「卒業式の式辞はもう考えられましたか」と訊ねられたので、「いや、まだだね。でももうそろそろ考えないといけない時期だけど、何度もやってるから言うことに悩むね」と私。「若いうちにこれだけはやっておいたほうがいいと思われることはありますか」とも訊いてきたので「それはやはりいつも言ってることだけど読書だね。僕は最近アート小説家の原田マハさんにはまっていて20冊ぐらい読んだよ」というと、名前をメモった彼女は職員室の前で私と分かれて教室に行きました。
いつものように8時になり玄関に立って挨拶をしていると、「校長室の写真を撮ってもいいですか」と、再び彼女が友人とカメラをもってやってきました。了解して、先ずは校長室の前で一緒に写真を撮りました。彼女は私のデスクや校長室から見える職員室など写真を撮っていました。一時、部活で悩んだこともあったけど、学校生活に満足して卒業していくんだなと嬉しく思いました。 私にとって18回目の卒業式が近づいています。