富裕層と貧困層の経済格差など経済の二極化が進む状態を英語のKの字になぞらえて、「K字経済」と言います。コロナ禍における企業の決算は、家電や自動車など右肩上がりの業種もあれば、観光業や飲食業など右肩下がりの業種もあり、「K字決算」と呼ばれます。今までV字、L字、U字など回復の状況に応じて使われていましたが、ここにきて新たにK字が加わりました。
アメリカでは民主党と共和党の支持をアンケート調査した結果、民主党支持者の約90%、共和党支持者の約10%がバイデン大統領を支持し、共和党支持者の約90%、民主党支持者の約10%がトランプ氏を支持しているという結果が出ているそうです。アメリカの世論は完全に二極化しているのです。その原因として、自分と同じ意見ばかりを集めるSNSの影響が挙げられています。
アメリカではこの傾向に歯止めをかけるべく、保守からリベラルまで幅広く異なる見方を載せた記事を一覧できるサービスを始めています。自分とは異なる意見に触れる機会を増やし、広く世界を知ろうという試みです。これは大事なことだと思います。手軽なSNSは論理的思考を阻害しています。科学技術が進めば進むほど人間は考えなくなり、間違った判断を下す可能性が高まります。
昨年の大統領選挙において不正があったというトランプ陣営の主張は、事実かどうかの検証もされぬまま既成事実として捉えられました。このようなことは、我々の身近でも頻繁に起きています。誰かが気に入らないことに対してその原因を勝手に推測して「○○だからじゃないか?」とか「△△だと聞いたけど、酷いね」などとツイートすると、次々にそれを事実としてツイートし盛り上がり一大勢力を築き上げます。「ちょっと待てよ。それって本当かな?」、「なぜそういう話になるんだ?」と疑問に思える人が求められます。
前作から16年、「ドラゴン桜2」が放映されています。落ちこぼれを半年で東大に合格させる伝説の弁護士桜木建二(阿部寛)は数々の名言を残しますが、「常に何故という疑問を持て」、これはK字経済社会を生きる上で最も大事なことじゃないでしょうか。