好文木(校長ブログ)
2024.11.19
SNS選挙

 一昨日の兵庫県知事選挙において、パワハラとおねだり疑惑で、県議会全会一致で不信任を突きつけられ失職した斎藤前知事が再選を果たしました。
 マスコミは終始疑惑と報道していましたが、それが既成事実のようになって、前知事は袋叩き状態でした。しかし、核心に触れる部分では情報が出てきませんでした。私は「火のないところに煙は立たない」というから、大なり小なりそうとられる言動はあったのだろうとは思っていました。斎藤氏は具体的な弁解を一切されず失職を選択されたので、「勝算があるのかな」といぶかしくも思いました。批判も強く、ここまで来たら再選はとても無理だろうと私も含め多くの人は思っていたのではないでしょうか。
 ところが、選挙戦が始まると、前知事の後援会がSNSに演説の写真や動画を多数投稿し、Xにも「#さいとう元知事がんばれ」が現れました。そして、「パワハラ疑惑は捏造」という話が広がりました。
 丁度その頃、芸術鑑賞で劇団四季の『ウィキッド』を鑑賞しました。緑色の肌と魔法の才能を持って生まれ、自由と正義を求める少女が、オズの魔法使いの策略により、悪い魔女の汚名を着せられるのです。世の中には表から見ていただけでは真実がわからないことがあります。斎藤元知事のパワハラ疑惑もウィキッドなのかな?捏造ということもありうるなと思いました。選挙戦が後半に入ると俄然、斎藤前知事の勢いが増し、当初の予想を覆しついに返り咲きに成功しました。
 2013年、インターネットによる選挙運動が解禁されました。今年7月の東京都知事選挙では石丸現象が起こり、10月の衆議院選挙では国民民主党の「若者の手取りを増やす」演説がユーチューブで拡散され党勢拡大につながりました。そして今回の兵庫県知事選挙です。SNSを上手く使うことが必須となったことは間違いないでしょう。ただ、人には自分の見たいものしか見ないという習性があるので、見たい情報のシャワーを浴びると他のものが見えなくなり、考え方が偏ってしまうので注意が必要です。真偽不明の情報合戦において選択せざるを得ない危うさを感じながらも、私も兵庫県民として一票を投じました。

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