好文木(校長ブログ)
2023.04.26
マスク考

 先週は夏日になったかと思うと今日は冬に逆戻り、着る服に悩むアップダウンの激しい天気です。街では少しずつマスクを外す人が増えてきました。電車の中でも車両に数人見かけるようになりました。
 中高生では素顔を見せるのが恥ずかしいとか表情を読まれるのが嫌という理由でマスクを外さない人が多いとのアンケート結果が報告されています。コロナ前には「伊達マスク」はやめようと呼びかけていましたが、コロナで遠慮なくマスクをつけることができるようになりました。3年間マスク生活が続きましたので、私もマスクを外した時には、何か無防備で少し恥ずかしいような気持に一瞬なりました。これは「2022年ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた「顔パンツ」現象というやつなのでしょう。この表現、品位に欠けますが、言いえて妙です。
 私は昨年の卒業生を最後に、素顔を見たことのない生徒がほとんどになりましたが、最近、マスクを外す生徒もまだごく少数ながら出てきました。お互いマスクを外した素顔で挨拶を交わすと、コロナ前までは当たり前のことでしたが、ホッとし、嬉しくなります。
 「Mask」という英単語を英和辞典で引いてみると、「put on a mask」、「wear a mask」で「仮面をかぶる:正体を隠す」という意味が出てきます。「正体を隠す」ことで、面倒なコミュニケーションから逃れることができ楽だと思う気持ちも、マスクをしていてわかりました。しかし、「目は口ほどにものを言い」とはいうものの、口元を隠して眼だけの会話では表情が読めず、率直な意思疎通は叶いません。マスク生活がこのまま定着し、SNSに依存するようになれば、益々コミュニケーションの劣化が進むのではないかと危惧します。

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