好文木(校長ブログ)
2025.01.07
年頭に当たり

 2025年は昭和100年、第二次世界大戦後80年そして阪神淡路大震災から30年とそれぞれ節目の年となります。
 先ず、世界に目を向けますと、2022年のロシアによるウクライナ侵攻はさらに激しさを増し、イスラエルのガザ攻撃もやむ気配がありません。世界各国での戦争や紛争が激しくなり各国の軍事費も増加傾向にあります。先進国においては中道政権が後退し、極右政党の台頭が気になります。日本国憲法はその前文において「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われわれの安全と生存を保持しようと決意した」と記しましたが、残念ながら現実は異なる様相を呈しています。また、アメリカではトランプ氏が2度目の大統領として再登板します。アメリカ第一主義を掲げた保護主義的でアンチ国際協調の政権の行方に懸念が示されています。1989年、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結、ソビエト連邦が解体され、超大国アメリカ1強の時代を迎えた時、政治学者フランシス・フクヤマ氏は『歴史の終わり』を著し、自由民主主義と自由市場の勝利を宣言したものですが、今、その歴史は逆回転を始めたように思えます。
 日本においては阪神淡路大震災後、東日本大震災そして昨年の能登半島地震を経験し、日本列島は大地動乱の時代に入り、首都直下型地震、南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状況と言われています。
 このように不安定な時代を生きるには、常に備えを怠らぬことが大切です。それには国も個人も主体的に考え行動しセンスを磨くことが必要です。戦禍の下、明日をも知れぬ命の灯を消すまいと必死に生きている人々に思いをいたすとき、私は平和な日本で皆さんとともに新しい年を過ごせることを心から幸せに思います。だからこそ人それぞれに悩みや不満はあれど、毎日を精一杯生きることが大事だと改めて思います。
 3年生はもうすぐ卒業です。4月からはそれぞれ新しい舞台での新しい生活が始まります。希望と不安が混ざり合っているかもしれませんが、好文学園で身につけた挫折力を生かして前に進んでください。2年生、1年生はそれぞれ学年が上がります。進路を見据えた学校生活をグレードアップしていきましょう。困ったときは遠慮せずいつでも相談に来てください。みなさんとともに自由闊達で愉快な学園を築いていきたいと思います。

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