好文木(校長ブログ)
2023.10.12
美術の好文、ここにあり

 昨日2023年度の黒板アート甲子園の審査発表があり、本校は2020年度に続き2度目の最優秀賞をいただきました。タイトルは「今、この瞬間を」で、楽しい高校時代、「時間よ止まれ」の思いを表しています。砂時計から迸る金色の砂はピーターパンのネバーランドを彷彿とさせます。今夏の大阪私学美術展における7年連続の学校団体優秀賞、5年連続の大阪府知事賞に続く栄誉、生徒たちの活躍大変うれしく思います。早速、「めざましテレビ」から取材申し込みが参りました。
 2007年校長に就任して新たな教育方針を作り、スローガンとして「個性創造」を掲げました。そのこころは、基礎基本をしっかりと身に着けたうえで花開く独創的な考え方や表現力を持つ生徒に育ってほしいという願いです。何事を成すにも基礎基本は大事です。「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?難しすぎるか。結論を言えば、型をつくるには稽古しかないんだ」これは落語家、立川談志さんの言葉です。誠に言い得て妙だと思います。
 近年の好文学園の美術は、まさにスローガン「個性創造」を実践しています。小説は文字でストーリーで作者の言いたいことを読者に伝えます。芸術は作品で伝えるのですが、その伝え方に基礎基本を学んだうえでの独自性が光ります。私はしばしばアートラボを訪ねては制作中の生徒を励ましています。今日も朝から受験のために作品制作に余念のない生徒に声をかけてきました。この生徒も今回の黒板アートの参加者の一人です。毎日コツコツとキャンバスに向かい丁寧に作品を仕上げていく努力は、つくづく「好きこそものの上手なれ」だなと思います。
 本校の美術担当教員は要所、要所での技術面でのアドバイスは的確に行っていますが、決して自分の型にはめようとはせず、一人一人の生徒の良さを上手に引き出してくれています。だからこそ、生徒たちは楽しんで伸び伸びと制作に励むことができているのだと思います。ここには既に私のめざす「自由闊達にして愉快なる学園」の姿を見ることができます。

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