好文木(校長ブログ)
2026.04.02
AIと激動する世界

 今日は恒例の教職員人権研修会を開催しました。近畿大学人権問題研究所特任主任教授の北口末広先生にお越しいただき、「激動する情報環境と教育・労働・人権」と題してご講演をいただきました。北口先生のご講演は私が校長に就任する前からお願いしており、四半世紀になります。いつもタイムリーな話題を最新のデーターに基づきグローバルなお話を頂き、大変刺激的で参考になります。今回も生成AIが変える社会につき政治、戦争、経済、教育と様々な側面からそのメリット・デメリットをお話し下さり、非常に示唆に富むご講演で、1時間半があっという間に過ぎました。
 講演では、権力の源泉が暴力(軍事覇権)から財力(経済覇権)そして知力(技術覇権)へと移行している。そして、2024年度調査におけるAIの国別普及は、日本の26.7%に対して米国68.8%、中国は81.2%というデーターが示されました。中国におけるAIロボットの進歩は度々テレビでも報じられており、中国はAI技術立国の道を邁進しつつあり、アメリカとの競争は一段と激しくなると思われます。
 一方、アメリカはイラン戦争で北口先生ご指摘のように暴力・財力・知力を結集していますが、トランプ大統領の二転三転する言動、迷走する方針はアメリカの威信を大きく傷つけ、国際社会の信用は失墜しています。都合の悪い情報をフェイクニュースと一笑に付すのも常態化しています。
 スペインの哲学者オルテガ・イ・ガゼットは『大衆の反逆』において、「歴史的知識は、成熟した文明を維持し継続するための第一級の技術である。—– 以前の時代を知らないことによって起きる間違いを回避させてくれるからだ」と述べて、世界的経済危機の中でボルシェビズムとファシズムの嵐が吹き荒れる1930年代のヨーロッパを、教養ある人たちは信じられないほどの歴史的無知を患っており、指導的立場のヨーロッパ人は、18世紀、17世紀の人間よりも歴史を知らないと評しています。この批判は現代のアメリカにも当てはまるのではないかと思います。冷戦下のケネディ政権で、ソ連と核戦争の瀬戸際までいったキューバ危機、ベトナム戦争、ジョージ・W・ブッシュ政権下のイラク戦争などの歴史的教訓はトランプ大統領の頭にはないようです。MAGA派と言われる大衆の反逆がアメリカを席巻しています。

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